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2018年7月22日 (日)

「金融検査・監督の考え方と進め方」を読んで(読書感想文)

たまたま別件で金融庁のHPを見ていたところ、掲題の資料が6月付で発表されていたので一通り目を通してみました。総括すると、これまでの路線の集大成(特に「検査マニュアル廃止」「リスクを取れ」)と言えそうです。

最近は必要に迫られ個人的にコーポレート・ガバナンス・コードを勉強していたりしますが、このような金融検査・監督方針の変化はコーポレート・ガバナンス・コードの主張と軌を一にして「マネジメント型」から「モニタリング型」へ変更しましょうという流れに見えます(同コードの管轄は経済産業省ですが)。

ということは…金融庁は金融機関の実質的な取締役だった(これからも)のですね。関与の仕方を一つ一つの細かい実務への判断・介入(マネジメント型)から、執行をある程度現場に任せ、社外取締役として経営戦略や中期計画の議論等に深く入る形(モニタリング型)へ変えていくということなのかな・・・と思いながら今回の金融庁方針を読むと理解が進みました。

一方、元銀行員として心配になるのは、現場に任せるという点、ビジネスモデル構築を任せるという点です。父権主義で長らく運営されていた世界で急に「自由に創意工夫をもってやんなさい」と言われても戸惑うのが普通かと思います。

実際、自由に独自にと変に頑張って資料を偽造し融資を増やしたり(SCさん、SGさん)、普通に考えればその分野にそこまで注力するのはどうなんだという分野で謎の与信スタンスで貸し込んだり(アパートローン、シェアハウス・・・)と暴走・迷走事例が目立つようになっています。

企業規模問わず企業経営においても「現場に任せる」ことの難しさを感じますし(事業のプロであっても経営のプロでない可能性、もしくは妥当な計画を作れないなど計数化能力に欠ける可能性、もしくはそもそも事業の改善・発展にビジョンが持てる人材がいない可能性…)、金融機関については特に失われた10年ないし20年の間に「銀行の仕事面白い!」と思いながら仕事をする人たちを相当数駆逐してしまったのではないかと懸念します。

金融庁がどう変わろうと原理原則、つまり預貸に強みを持つことが銀行の存在意義だと思いますが、そのあたりの青臭い議論が本当になされているのだろうかと疑問に思う金融機関も見られます(例:全く外貨を利用しないビジネスモデルなのに金融機関側の期末になるとドル預金をごり押ししてくる、退職金に対してドル建ての運用を進めてくる、債務超過でもなく資金に余裕がある企業に対して、オーナー家でない社長に個人保証を条件とする貸出しの提案をする…その条件では誰も借りませんよね?等々)。

昔から言われているように「お金に色はついていない」ので金融機関の特徴は自分たちで作り維持していかないといけません。サービス・商品の良さ・違いが眼に見えるものでないだけに、「他の金融機関と我々はこのように違う」と内外に打ち出していくのは物凄く難しいと思います。

いずれ低金利時代は解消されないといけないと思いますが、その際企業をどう支えていくのか、もしくは金利上昇に耐えられる企業にいかに今から導いていくのかが問われるような気がします。地方では中長期的な人口減少が顕著ですし、中小企業を見れば事業承継の問題が深刻化しつつあります。製造業をはじめ人手確保が困難になってきています。逆にこれら長期的な課題を商売のネタと捉えれば、資料の改ざんなんかに手を染めなくても色々面白い仕事ができそうですが…。

近年はクラウドファンディングやソーシャルレンディングといった玉石混交のファイナンススキームが広まりつつあります。そんな中、自らは資金を使わず、銀行としての信用性やノウハウを提供するだけで手数料収入を得ることも面白そうな気がします。実際に一部自ら手掛けている金融機関や業者と提携している金融機関も見られます。

更にラジカルに考えれば、金融庁の方針がモニタリング型になるのであれば、銀行業務の範囲拡大(裁量権の拡大)を認めないと期待通りの変化が実現できないのではないかと思ったりします。商社やリース会社など既に「金融+α」の機能を持っている業態もあります。「AI導入で人員削減」ではなくダメ元で色々と新しいビジネスモデルにトライする方が建設的な気がします。特に旧財閥系などは系列企業から人を受け入れることで商売の幅を広げられそうですが…。

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